実践
ノート PC を閉じても Claude Code に作業を続けさせる
長いエージェントのタスクと、閉じたノート PC の蓋は相性が最悪です。確実な解決策は 4 つあり、どれが正しいかは、起動したままにできるマシンを持っているかどうかで決まります。
簡単な答え
ノート PC がスリープすると Claude Code は止まり、Remote Control は復帰したあとに再接続するだけです。蓋を閉じたまま作業を続けるには、起動したままの場所でセッションを動かしましょう。Anthropic のクラウドセッション(GitHub のリポジトリ)、tmux や Maude のようなセッションデーモンを使う VPS、または Mac mini のような常時稼働のデスクトップです。
Claude Code に 40 分かかる仕事を任せたのに、出かけなければならない。デフォルトでは、蓋を閉じると作業は止まります。これを回避する確実な方法は 4 つあり、どれが合うかはたった 1 つの問いで決まります。起動したままにできるマシンを持っているか?
なぜ止まるのか
セッションを終わらせるものは 3 つあります。それぞれの解決策は一部にしか対処できないので、区別しておく価値があります。
- プロセスが止まる。マシンがスリープするか、
claudeを所有していたシェルが終了する。スリープ中のノート PC では、どのアプリを使っていても何も動きません。 - 接続が切れる。電波が途切れたか、スマホがアプリを一時停止した。プロセスは無事かもしれませんが、見えないだけです。
- セッションを見失う。プロセスは生き残ったものの、あなたをその前に連れ戻す方法も、終わったことを知らせる方法もない。
Anthropic 自身の Remote Control が、この違いをよく示しています。ドキュメントによると、ノート PC がスリープしたりネットワークが切れたりしても、マシンがオンラインに戻れば Claude Code は再接続します。これは接続の問題を解決します。しかし蓋を閉じている間に何かを動かし続けるわけではありません。「コンピューターは起動したままで、claude プロセスも動き続けている必要がある」からです。
選択肢 1:Anthropic のクラウドセッション
起動したままにできるマシンを持っていないなら、作業を自分のマシンから完全に移しましょう。クラウドセッションは、Anthropic が管理する VM で Claude Code を動かします。ノート PC を閉じてもセッションは続き、Claude アプリ、ブラウザ、ターミナルから様子を確認できます。2026 年 9 月 23 日にリサーチプレビューを終了しました。Pro、Max、Team と、プレミアムシートまたは Chat + Claude Code シートを持つ Enterprise ユーザーが使えます。
ターミナルから始めて、そのまま席を立つこともできます。
claude --cloud "Fix the flaky test in auth.spec.ts"
クラウドの VM は GitHub のリモートを現在のブランチでクローンするので、先にプッシュしておいてください。終わったら、claude --teleport でセッションとそのブランチをターミナルに引き戻せます。頼る前に知っておくべきこと(クラウドセッションのドキュメントより):
- クローンとプルリクエストには GitHub が必要です。
- セッションからはプライベートネットワークやローカルのデータベースは見えません。
- 使用量は、ほかの Claude の利用と同じ上限から消費されます。
- アイドル状態の VM はしばらくすると回収されます。開き直すと会話は復元されますが、実行中だったバックグラウンドの作業は復元されません。
この方法の詳しい比較は Maude と Claude Code on the web の比較にあります。
選択肢 2:tmux か systemd を使うサーバー
定番の答えは、スリープしない VPS で、tmux の中で Claude Code を動かすことです。tmux がプロセスを所有するので、SSH 接続がそれを抱えている必要がなくなります。
tmux new -s work
# start claude, then Ctrl-B then D to detach
tmux attach -t work
これで 3 つの問題すべてが解決します。プロセスは常時稼働のマシンで動き、接続が切れても影響を受けず、tmux attach でその前に戻れます。費用は月数ユーロで、手順は VPS セットアップガイドで解説しています。
知っておく価値のある改良が 2 つあります。
- tmux の中で Remote Control。tmux のセッションで
claude remote-controlを実行すれば、ターミナルではなく Claude アプリの Code タブから、プッシュ通知付きで操作できます。Anthropic の公式アプリと、スリープしないマシンの組み合わせです。 - 再起動には systemd。tmux は再起動を乗り越えられません。systemd のサービス(ログインなしで起動するよう lingering を有効にしたユーザーユニット)を使えば、長時間動くプロセスを起動時に復活させられます。再起動で中断されたターンを Claude Code 自身が再開することはありません。
claude --continueでそのディレクトリの最新の会話を開き直し、続けるよう指示します。
スマホでの難点は主に使い勝手です。素の tmux セッションは作業が終わっても知らせてくれず、アタッチし直すにはフルスクリーンのターミナルとソフトウェアキーボードが必要です。詳しくはコーディングエージェントのための tmux、mosh、Tailscale をご覧ください。
選択肢 3:セッションデーモン(Maude)
これは同じ考え方を 1 段上で実現したものです。サーバー上で長時間動く小さなプロセスが、すべてのエージェントのセッションを所有し、そこで起きたことを記録します。クライアントがアタッチしてもデタッチしても、セッションは影響を受けません。tmux と比べると、次の違いがあります。
- アタッチし直すと、スクロールして読む画面のバッファではなく、会話そのものが表示されます。
- 複数のデバイスで同じセッションを追えます。
- あなたが見ていないときも見張っているものがあるので、作業が終わったときや判断が必要なときにプッシュ通知を受け取れます。
Maude はこの仕組みで動いています。サーバーを追加すると、アプリは SSH で自前のデーモンをデプロイし、起動時に立ち上がるよう登録します。Linux では systemd のユーザーユニット、macOS では LaunchAgent、フォールバックとして cron の @reboot エントリーです。アプリやノート PC を閉じても、セッションはサーバー上で動き続けます。受信箱には、終わったもの、エラーになったもの、あなたを必要としているものが表示され、プッシュ通知を使えば何も開かずに許可か拒否で権限の確認に答えられます。どのプロセスとも同じく、再起動のときに実行中だったターンは中断されますが、会話は保持されているので、アプリから続きを始められます。
同じデーモンが Codex、OpenCode、Grok Build、Antigravity も動かすので、どのエージェントで始めてもこの仕組みが使えます。マルチエージェント版はコーディングエージェントを 24 時間動かすで解説しています。
選択肢 4:自宅の常時稼働マシン
Mac mini、ワークステーション、ホームサーバーなど、常に起動しているデスクトップをすでに持っているなら、追加費用なしでサーバーの役割を担わせられます。VPS とまったく同じように、Remote Control、tmux、Maude を使いましょう。実用上のポイントをいくつか挙げます。
- スリープさせない。macOS の省エネルギー設定には、ディスプレイがオフのときに自動でスリープしないようにするオプションがあります。
caffeinateを使えばコマンドラインから開いた Mac を起こしておけますが、MacBook の蓋を閉じたときのスリープは止められません。 - 閉じた MacBook が起きていられるのはクラムシェルモードのときだけで、外部ディスプレイの接続と電源が必要です。机の上なら問題ありませんが、カバンの中では役に立ちません。
- 外からアクセスする。Remote Control と Maude のリレーはどちらも外向きに接続するので、マシンのポートを開ける必要はありません。素の SSH なら、Tailscale を使うのが一般的です。
選び方
| 方法 | ノート PC を閉じても動き続けるか | 必要なもの | 通知してくれるか |
|---|---|---|---|
| クラウドセッション | はい | GitHub 上のリポジトリ | はい |
| VPS 上の tmux | はい | サーバー | いいえ |
| VPS 上の tmux の中で Remote Control | はい | サーバー、Claude のプラン | はい |
| セッションデーモン(Maude) | はい | サーバーとアプリ | はい |
| 自宅の常時稼働マシン | はい | スリープしないデスクトップ | ツール次第 |
| ノート PC 自体での Remote Control | いいえ。ノート PC が復帰すると再接続 | 追加なし | はい |
| ノート PC 自体での tmux | いいえ | 追加なし | いいえ |
起動したままにできるマシンを持っていますか? 持っているなら、セッションをそこに置き、tmux、Remote Control、デーモンのいずれかを使いましょう。持っていないなら、作業はもともと起きている場所に移す必要があります。借りる安い VPS か、Anthropic のクラウドセッションです。
どの方法でも役立つこと
誰も見ていないタスクは、見張らなくても済むように書くべきです。どこで止まるか、失敗したらどうするか、何に触れてはいけないかを伝えましょう。「api/ の失敗しているテストを直して。スキーマの変更が必要な修正なら、止めて理由を説明して」は、「テストを直して」よりはるかにうまくいきます。具体的な指示があれば、40 分の無人の実行が脇道にそれずに済みます。確認なしにどこまでやらせるかも事前に決めておきましょう。そのトレードオフは Claude Code をフル権限で安全に動かすで解説しています。
スマホから動かす
自分のサーバーで Claude Code を動かし続け、スマホから様子を確認したいなら、Claude Code をスマホでをご覧ください。無料のものを含むすべての選択肢は、iPhone と iPad で Claude Code を使うすべての方法で紹介しています。
よくある質問
Mac がスリープしても Claude Code は動き続けますか?
tmux は再起動を乗り越えられますか?
claude --continue でそのディレクトリの最新の会話を開き直せます。systemd のユーザーサービスなら、ログインしなくてもツールが復活します。起動時に自動で立ち上がるよう自らを登録するセッションデーモン(Maude のデーモンなど)も同様です。自宅の Mac mini で Claude Code を動かせますか?
タスクが終わったら通知を受け取れますか?
/config で有効にすれば Claude アプリにプッシュ通知を送れ、クラウドセッションはアプリで追跡できます。Maude は、セッションが終わったとき、エラーになったとき、承認が必要なときに、許可と拒否のボタン付きで通知します。素の tmux セッションでは一切通知できません。変更点
- — 全面改訂:クラウドセッションがリサーチプレビューを終了、Remote Control はスリープ後に再接続するがスリープ中は動かない、サーバーの tmux の中での Remote Control、systemd と --continue による再起動の扱い、自宅の常時稼働マシンという選択肢。
- — 初版を公開。