選び方ガイド
Claude Code、Codex などのコーディングエージェント向け VPS の選び方
コーディングエージェントに高性能なサーバーは要りません。必要なのは、プロジェクトのツールチェーンに足りる RAM、利用が認められたリージョン、そして実際にマシンを売ってくれるプロバイダーです。サイズの決め方を、各プロバイダー自身のページで確認した価格とともに紹介します。
簡単な答え
RAM 4 GB(Anthropic が示す Claude Code の最低要件)、2 vCPU、40 GB 以上のディスクを、近くのリージョンで用意しましょう。モデルはサーバーではなく Anthropic、OpenAI、Google の側で動くので、GPU は不要です。2026-10-01 に確認した時点では、実際に注文できた最も安い 4 GB プランは OVHcloud の VPS-1 で、税抜で月 €3.81 からでした。Hetzner の 4 GB プラン(€5.49〜5.99)は在庫切れと表示され、Contabo の Cloud VPS 4 は 24 か月契約で 8 GB が月 €4.40 です。米国の主要クラウドでは 4 GB で $20〜24 です。自宅に余っている Mac mini や Raspberry Pi 5 なら追加費用はかかりません。
「Claude Code におすすめの VPS」のリストの多くは、紹介料の高い順に並べたアフィリエイトページです。このページにはアフィリエイトリンクはなく、エージェントがマシン上で実際に何をするかから考えます。エージェントはプロンプトをベンダーがホストするモデルに送り、テキストとツール呼び出しを受け取り、そのツール呼び出しをローカルで実行します。ファイルを読み、git を実行し、パッケージをインストールし、ビルドし、テストする。つまりサーバーの仕事はプロジェクトのツールチェーンを動かすことです。サイズはそれに合わせて決めましょう。
エージェントに本当に必要なもの
- RAM:4 GB が妥当な下限。Anthropic のシステム要件では、Claude Code に 4 GB 以上の RAM が必要とされています。Codex と Antigravity の
agyはコンパイル済みのバイナリで、単体ではもっと軽量です。しかし、npm install、TypeScript のビルド、テストスイートを実行するエージェントは 2 GB を軽く超え、Linux はメモリが尽きるとプロセスを強制終了します。小さなリポジトリで 1 つのエージェントなら、スワップを追加すれば 2 GB でも動くことがあります。複数のセッションを並行して動かす場合や、データベースや Docker も一緒に動かす場合は 8 GB が適切です。 - CPU:最初は 2 vCPU で十分。エージェントはほとんどネットワーク待ちです。CPU が効くのはビルドとテストの実行中なので、重いコンパイル(Rust、大規模な C++、モノレポのビルド)なら 4 にすると効果があります。
- ディスク:40 GB 以上。
node_modules、各言語のツールチェーン、Docker イメージ、複数の git worktree は、思ったより早く 20 GB を埋めます。 - GPU:不要。どの CLI もモデルをローカルで動かしません。GPU インスタンスにお金を払っても、ここでは何も得られません。
- 対応リージョン。Claude Code の要件では、Anthropic が対応する国から使う必要があります。あなたがいる場所だけでなく、サーバーの所在地も対象です。
2 GB にするなら、スワップファイルを追加してください。クラッシュが速度低下で済むようになります。
sudo fallocate -l 2G /swapfile
sudo chmod 600 /swapfile
sudo mkswap /swapfile
sudo swapon /swapfile
echo '/swapfile none swap sw 0 0' | sudo tee -a /etc/fstab
価格表
以下の価格はすべて、その日に各プロバイダー自身の料金ページか公式の料金 API から取得したもので、表示の通貨のままです。ホスティングの価格は頻繁に変わり、Hetzner は 2026 年 6 月に値上げしたので、購入前にリンク先のページを確認してください。掲載したどのプロバイダーとも、アフィリエイト関係はありません。
| プロバイダーとプラン | vCPU / RAM / ディスク | アーキテクチャ | 月額料金 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| OVHcloud VPS-1 | 2 / 4 GB / 40 GB | x86 | €3.81〜(税抜) | 「〜から」の価格。前提となる契約期間は確認できず |
| OVHcloud VPS-2 | 4 / 8 GB / 75 GB | x86 | €7.21〜(税抜) | IPv4 込み |
| Contabo Cloud VPS 4 | 4 / 8 GB / 100 GB | x86 | €4.40(税抜) | 24 か月契約での実質料金。短い契約期間ではより高くなる |
| Hetzner CX23 | 2 / 4 GB / 40 GB | x86 | €5.49(税抜) | IPv4 は +€0.50。確認時は在庫切れの表示 |
| Hetzner CAX11 | 2 / 4 GB / 40 GB | ARM | €5.99(税抜) | IPv4 は +€0.50。確認時は在庫切れの表示 |
| Hetzner CX33 / CAX21 | 4 / 8 GB / 80 GB | x86 / ARM | €8.49 / €10.49(税抜) | 在庫について同じ注意点あり |
| DigitalOcean Basic | 2 / 4 GB / 80 GB | x86 | $24 | 8 GB / 4 vCPU:$48、2 GB:$12 |
| Vultr Regular Cloud Compute | 2 / 4 GB / 80 GB | x86 | $20 | 8 GB:$40、2 GB:$10(Vultr の公開プラン API より) |
| Akamai(Linode) Shared | 2 / 4 GB / 80 GB | x86 | $24 | 8 GB:$48、2 GB:$12 |
| AWS Lightsail | 2 / 4 GB / 80 GB | x86 | $24(IPv6 のみなら $20) | 8 GB:$44。固定 IP 込み |
| Scaleway DEV1-M | 3 / 4 GB / ストレージ別 | x86 | 約 €14.74(税抜) | 時間単位の課金。ブロックストレージと IPv4 は別料金 |
| Oracle Cloud Always Free A1 | 合計で最大 4 OCPU / 24 GB | ARM | $0 | アイドル状態のインスタンスは回収されることがある。空きがないことも多い |
確認できなかったこと:
- Hetzner。製品ページは JavaScript で価格を読み込むため、上の数字は 2026 年 6 月 15 日から適用された Hetzner 自身の価格改定のお知らせによるものです。確認時、コスト最適化ライン(CX と CAX)は「現在利用できません」と表示されていました。サードパーティのトラッカーによると在庫は出たり消えたりしているそうですが、私たちは確認していません。
- Vultr。マーケティング用の料金ページは取得をブロックされたため、Vultr の価格は公式の公開プラン API から取得しています。
- OVHcloud。「〜から」の価格の前提条件は見つけられませんでした。
- Contabo。Contabo の 1 か月契約での料金(上記の €4.40 は 24 か月契約が前提)と初期費用は確認できませんでした。
- 税金。米国のプロバイダーのページには VAT の扱いが書かれていません。該当する地域では加算されると考えてください。
結局どれを選ぶか
- ヨーロッパで使える最安のマシン:OVHcloud VPS-1、または手に入るなら Hetzner CX23 / CAX11。長期契約で構わなければ、1 ユーロあたりの RAM がいちばん多いのは Contabo です。
- 米国の大手クラウド:確認した大手 4 社の中では、Vultr の 4 GB で $20 のプランがいちばん安く、DigitalOcean、Akamai、Lightsail は $24 です。
- 根気があるなら $0:Oracle の Always Free の ARM シェイプは、スペック上はかなり太っ腹です。難しいのは空きを確保することと、アイドル扱いで回収されないようにすることです。
リージョンとレイテンシー
関係するレイテンシーは 2 つありますが、最適化する価値があるのは 1 つだけです。あなたとサーバーの間:SSH 越しにターミナルで入力するなら、キーを押すたびに往復が発生します。30 ms ならローカルのように感じ、150 ms だともたついて感じます。mosh を使えばその多くを隠せます。サーバーとモデルの API の間:エージェントの 1 ターンは数秒から数分かかるので、ヨーロッパのマシンから米国のエンドポイントへのリクエストごとに 80 ms 増えても大差ありません。エージェントのベンダーが対応する国の中で、あなたにいちばん近いリージョンを選びましょう。データの所在地に関するルールがあるなら、コードを置いてよい場所も考慮してください。
ARM と x86
ARM のサーバー(Hetzner CAX、Oracle A1、AWS Graviton)は RAM 1 GB あたりの価格が安いことが多く、エージェント自体も問題なく動きます。Claude Code には linux-arm64 のビルドがあり、OpenAI は Codex の arm64 Linux バイナリを公開しており、agy のインストーラーにも arm64 Linux のビルドがあります。問題になりうるのはあなたのプロジェクトのほうです。ネイティブモジュールを含む一部の npm パッケージ、古い Python の wheel、amd64 向けにしか公開されていない Docker イメージなどです。スタックが Node、Python、Go、Rust といった主流のものなら、ARM はお得です。x86 専用のイメージやバイナリに依存しているなら、少し高くても x86 にしましょう。
自宅のハードウェア
いちばん安いサーバーは、すでに持っているマシンです。
- Mac mini や古いノート PC。RAM は十分、ディスクも速く、macOS でも Linux でも使えます。スリープを無効にし(macOS なら
sudo pmset -a sleep 0、または省エネルギー設定で自動スリープを防ぐ)、有線 LAN につなげば、電気代だけで 24 時間動くマシンになります。 - Raspberry Pi 5。4 GB か 8 GB のモデルで、64 ビット OS と SD カードではなく SSD を使えば動きます。ビルドは VPS より明らかに遅いと考えてください。
- アクセス方法。自宅のマシンはルーターの NAT の内側にあります。Tailscale を使えば、ポートを開けずにスマホから直接アクセスできます。
トレードオフは、自宅のマシンがあなたのネットワークを、そして多くの場合はアカウントも共有していることです。エージェントには専用のユーザーを用意し、そのアカウントには個人の SSH 鍵やブラウザのプロファイルを置かず、権限の確認を緩める前にエージェントをフル権限で安全に動かすをお読みください。
セットアップしてスマホから動かす
マシンを用意したら、あとはセットアップガイドに従ってください:VPS で Claude Code を動かす、VPS で Codex CLI を動かす、サーバーで Antigravity CLI を動かす。手作業でインストールしたくないなら、Maude は上記のどのマシンでも使えます。SSH で接続できる x86-64 / ARM の Linux / macOS なら大丈夫です。アプリからサーバーを追加すると、自前のデーモンをデプロイし、Claude Code、Codex などのエージェントを検証済みのバージョンでインストールします。サーバーから Maude のリレーへ接続するので、自宅の NAT の内側にある Mac mini でもポートを開けずに使えます。各エージェントのサブスクリプションか API キーは別途必要です。アプリは 3 日間のトライアルのあと週 $2.99、または 7 日間のトライアルのあと年 $59.99 です。
よくある質問
Claude Code にはどれくらいの RAM が必要ですか?
$5 の VPS で足りますか?
Claude Code や Codex を動かすのに GPU は必要ですか?
Raspberry Pi は使えますか?
コーディングエージェント用の VPS は ARM と x86 のどちらがいいですか?
変更点
- — 初版を公開。価格はこの日に各プロバイダーの公式ページ(Vultr は公開プラン API)で確認しました。