セットアップ
サーバーで Antigravity CLI(agy)を動かす
個人アカウントでは、Google の Antigravity CLI が Gemini CLI の後継になりました。単一のバイナリとしてインストールでき、SSH 越しのサインインも問題なくできます。ただし、ヘッドレスのマシンではノート PC とは挙動が異なります。このガイドでは、何に気をつければよいかを解説します。
簡単な答え
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash でインストールすると、agy は ~/.local/bin に置かれます。SSH 越しでは、agy はリモートセッションを検出してサインイン URL を表示します。任意のデバイスで開いて、表示されたコードを貼り付けます。ヘッドレスや CI で使う場合は Google サインインを省略し、~/.gemini/antigravity-cli/settings.json に "modelProvider": "gemini" を設定して GEMINI_API_KEY をエクスポートします。GEMINI.md ファイルはそのまま使えます。
2026 年 6 月 18 日以降、Gemini CLI は無料、Google AI Pro、Ultra の個人アカウントでは使えなくなりました。Google の発表は、そうしたユーザーに Antigravity CLI(agy)を案内しています。サーバーで注意が必要なのは、ブラウザなしでのサインイン、Google サインインと API キーのどちらを選ぶか、そして誰もターミナルにいないときに agy が権限をどう扱うかです。順に見ていきます。
agy をインストールする
Linux または macOS で、通常の(root 以外の)ユーザーとして実行します。
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash
export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH" # if ~/.local/bin isn't on PATH yet
command -v agy
公式のインストールページによると、バイナリは ~/.local/bin/agy に置かれ、対応プラットフォームは macOS、Linux、Windows です。インストーラーはプラットフォームごとのビルドを取得し、Linux には amd64 と arm64 の両方のビルドがあるので、ARM の VPS でも問題ありません。新しいシェルや tmux のウィンドウでも使えるよう、PATH の行を ~/.bashrc か ~/.profile に追加してください。
サーバーならではの注意点が 1 つあります。agy はバックグラウンドで自動更新します。ノート PC では便利ですが、動かしっぱなしのマシンでは、長いセッションの最中にバージョンが変わる可能性があるということです。Maude はインストールするバージョンを固定し、AGY_CLI_DISABLE_AUTO_UPDATE=1 でこれを無効にしています。同じように予測可能にしたいなら、agy を起動するシェルやユニットでこの変数をエクスポートしてください。
SSH でのサインインの流れ
SSH セッションで agy を起動し、Google サインインを選びます。ノート PC ならブラウザが開くところですが、SSH 越しではリモートセッションを検出し、代わりに認可 URL を表示します。そのあとの手順は次のとおりです。
- URL をコピーし、スマホかノート PC で開きます。
- Antigravity で使っている Google アカウントでサインインします。
- ページに表示されたコードをコピーし、ターミナルに貼り付けます。
認証情報は OS のキーリング(Linux では Secret Service)に保存されます。素の VPS には、キーリングのロックを解除するデスクトップセッションがありません。agy 1.0.0 に対して起票された GitHub の issue では、まさにそれが原因でヘッドレスの Linux でサインインがループすること、さらにファイルへのフォールバックにタイムゾーンのバグがあることが報告されています。報告者の回避策は GEMINI_FORCE_FILE_STORAGE=true TZ=UTC agy … でした。現行バージョンでもこれが必要かどうかは確認できていません。agy が起動するたびにサインインを求めてくる場合は、まずこの issue を確認してください。それ以外の場合は API キーモードを使いましょう。
サインアウトして保存されたプロファイルを削除するには、agy の中で /logout を実行します。
ヘッドレス向けの API キーモード
CI、共有のマシン、あるいは Google のセッションを置いておきたくないサーバーでは、Gemini API キーで agy を動かします。インストールのドキュメントでは 2 つの手順が示されています。まず、~/.gemini/antigravity-cli/settings.json でモデルプロバイダーを設定します。ファイルがすでにある場合は、内容をマージしてください。
{
"modelProvider": "gemini"
}
次に、プロセスからキーを使えるようにします。
export GEMINI_API_KEY="…" # e.g. in ~/.profile, or an EnvironmentFile for a systemd unit
これでアカウントのサインインは完全に不要になります。利用料は Google AI のプランから消費されるのではなく、Gemini API の料金体系でトークン単位で課金されます。キーはシェルの履歴にも、エージェントが作業するリポジトリにも残さないようにしてください。
誰も見ていないときの権限
サーバーでいちばん驚かれるのがこの挙動です。agy 1.2.14 での私たちのテストでは、ヘッドレスの実行(agy -p … や stream-json モード)では、ツールを実行する前に止まって確認することができません。権限が必要なコマンドやファイルの書き込みは拒否され、ターンの結果に拒否されたものとして列挙されます。作業を通すには 3 つの方法があります。
- 許可ルール。
agyは~/.gemini/antigravity-cli/settings.jsonのpermissions.allowからルールを読み込みます。エントリは"command(npm test)"、"write_file(src/app.ts)"、"command(*)"のような形式で、起動時に読み込まれます。 - モード。
--mode accept-editsはファイルの編集を自動で承認しますが、コマンドは引き続き拒否されます。--mode planは実行せずに計画だけを立てます。 - チェックを一切しない。使い捨てのマシン向けの
--dangerously-skip-permissionsです。使う前にエージェントをフル権限で安全に動かすをお読みください。
ターミナルでの対話的な agy や、後述の Remote Control では、止まって確認できます。つまりこの制限は、スクリプトによるヘッドレスの利用に限ったものです。
Gemini CLI の設定を移す
詳しくは移行ガイドで説明されています。すでに Gemini CLI が入っていたサーバーについて、要点をまとめます。
- 初回起動時に移行を提案してくれる。
agyは既存の Gemini CLI の設定を見つけると、変換する拡張機能とグローバル設定のチェックリストを表示します。 - 拡張機能はプラグインになる。
agy plugin import geminiを実行すれば、いつでも Gemini の拡張機能を Antigravity のプラグインに変換できます。 - コンテキストファイルはそのまま使える。
GEMINI.md(ワークスペースと~/.gemini/GEMINI.md)とAGENTS.mdは変更なしで読み込まれます。 - MCP サーバーは少しの修正が必要。グローバルなサーバーは
~/.gemini/config/mcp_config.jsonに、ワークスペースのものは.agents/mcp_config.jsonに置きます。従来のurl/httpUrlキーはserverUrlに名前を変えます。 - スキルは移動が必要。ワークスペースのスキルは
.gemini/skills/から.agents/skills/へ、グローバルなものは~/.gemini/antigravity-cli/skills/へ移します。これは自分で移動する必要があります。
Google によると、機能の完全な同等性はまだ実現しておらず、移行ガイドには一部のカスタムテーマや見た目の調整は引き継がれないと書かれています。特定の拡張機能に依存したワークフローがあるなら、古い環境を削除する前に、インポート後に動作を確認してください。
Remote Control デーモンと Maude
Google は、別のデバイスから agy にアクセスする公式の方法を提供しています。Remote Control のドキュメントによると、起動方法は 3 つあります。
- 実行中のセッション内での
/remote-control。トンネルはその CLI セッションが終了すると切れます。 - セッション起動時の
agy --remote-control。このトンネルも、セッションが終了すると切れます。 - ヘッドレスのデーモン:
agy remote-control start --name my-vps。agy remote-control statusとagy remote-control stopもあります。OS のサービスとして登録され、バックグラウンドで動き続けます。
操作は、同じ Google アカウントでサインインした任意のブラウザの Web ダッシュボードから行います。ドキュメントによると、ダッシュボードをスマホのホーム画面にインストールすればプッシュ通知を受け取れ、権限の確認にはターミナルからでもリモートの UI からでも答えられます。また、アカウントや組織の機能フラグで無効にされることがあるとも書かれています。
| agy Remote Control | Maude | |
|---|---|---|
| 費用 | Antigravity を使えれば無料 | 有料アプリ(3 日間のトライアル後に週 $2.99、または 7 日間のトライアル後に年 $59.99) |
| クライアント | ブラウザのダッシュボード(Web アプリとしてインストール可能) | iOS、iPadOS、Android のネイティブアプリ |
| エージェント | Antigravity のみ | Antigravity、Claude Code、Codex、OpenCode、Grok Build |
| サーバーでのセットアップ | agy をインストールしてサインインし、デーモンを起動 | アプリが SSH でデーモンと固定バージョンの agy をデプロイ |
| 権限の確認 | ターミナルかダッシュボードからリアルタイムで回答 | 拒否されたあとに表示。承認すると操作が再試行される |
| サインイン | 自分の Google アカウント | コードを貼り付ける Google サインイン、または Gemini API キーを、スマホから |
Antigravity しか使わず、アカウントで機能フラグが有効になっているなら、公式のデーモンが当然の第一候補です。無料で、実行前に確認もできます。
スマホから動かす
ほかのエージェントと一緒にサーバーで agy を動かし、ネイティブアプリから操作したいなら、Maude が選択肢の 1 つです。サーバーを追加すれば、アプリが検証済みのバージョンの agy をインストールし、スマホからサインインできます。コードを貼り付ける Google サインインか、Gemini API キーを使えます。Maude での Antigravity について正直に言うと、Maude はヘッドレスの agy を操作するので、ツールの実行前に止まって確認することはできません。Maude は拒否された操作を表示し、承認すれば許可ルールを追加して再試行します。詳しくは Antigravity のエージェントページをご覧ください。Gemini CLI の変更そのものと、ほかの人たちがどの選択肢に移ったかは、Gemini CLI 提供終了についての記事で取り上げています。
よくある質問
SSH 越しに agy にログインするには?
agy を実行して Google サインインを選びます。agy は SSH セッションを検出し、ブラウザを開く代わりに認可 URL を表示します。任意のデバイスで URL を開いてサインインし、表示されたコードをターミナルに貼り付けます。GEMINI.md はまだ使えますか?
GEMINI.md(ワークスペースと ~/.gemini/ にあるもの)と AGENTS.md を変更なしで読み込みます。MCP サーバーの設定とスキルは移動が必要です。上の移行のセクションをご覧ください。API キーなら Gemini CLI をまだ使えますか?
2026 年 6 月 18 日に何があったのですか?
ヘッドレスの agy が確認せずにコマンドを拒否するのはなぜですか?
~/.gemini/antigravity-cli/settings.json に許可ルールを追加するか、ファイル編集には --mode accept-edits を使うか、確認してほしいときは agy を対話的に、または Remote Control 経由で動かしてください。変更点
- — 初版を公開。インストール、認証、移行、Remote Control の詳細は antigravity.google のドキュメントで確認しました。ヘッドレスでの権限の挙動は、agy 1.2.14 での私たち自身のテストに基づきます。