自作構成との比較
コーディングエージェントに使うなら:Maude vs Termius、Blink、tmux
SSH アプリと tmux があれば、Claude Code、Codex などのターミナルで動くエージェントを、ほとんどお金をかけずにスマホで使えます。この構成の長所、使いにくくなるところ、そしてエージェント専用のアプリで何が変わるかを紹介します。
簡単な答え
Termius(無料の Starter プラン)や Blink Shell(Blink+ は年 $19.99)などの SSH アプリで tmux のセッションにアタッチすれば、Claude Code、Codex、OpenCode、Grok Build、Antigravity を今すぐスマホから動かせます。安くて機能も揃っていますが、フルスクリーンのターミナル UI をソフトウェアキーボードで操作することになります。Maude はエージェントのセッションをネイティブに表示し、受信箱、許可/拒否付きのプッシュ通知、ファイルと git の画面を備えつつ、本物のターミナルタブもあります。ターミナルが苦にならないなら SSH と tmux のままで、スマホがエージェントを見守る場所なら Maude を選びましょう。
エージェントがすでにサーバーで動いているなら、何も買わずにスマホからアクセスできます。Termius や Blink Shell などの SSH クライアントをインストールし、tmux のセッションにアタッチすれば、エージェントのターミナル UI がそこにあります。Claude Code、Codex、OpenCode、Grok Build、Antigravity の agy はどれもターミナルのプログラムなので、どれでも同じように使えます。この方法で作業し、満足している人はたくさんいます。
このページでは、この構成がダメだというふりはしません。実際ダメではないからです。Maude が存在するのは、1 回目ではなく 20 回目に使ったときの使い心地のためです。
SSH 構成の良いところ
- 安い。tmux は無料のオープンソース、Termius には無料プランがあり、Blink は少額の年間サブスクリプションです。
- 機能が揃っている。エージェント本来のインターフェースが使えるので、スラッシュコマンド、パネル、プロンプトはすべてデスクトップとまったく同じように動きます。誰かが再実装する必要がないので、欠けている機能はありません。
- tmux でセッションが長持ちする。デタッチしても、電波が途切れても、戻ってアタッチし直せばセッションはそこにあります。Termius と Blink の両方が対応する Mosh は、不安定なモバイル回線で役立ちます。
- 何にでも使える。同じアプリでログを追い、サービスを再起動し、設定を編集できます。特定のツールやエージェントに縛られません。
この構成をきちんと組む方法は、コーディングエージェントのための tmux、mosh、Tailscale のガイドで解説しています。
Termius と Blink:料金とプラン
Termius の料金ページによると、無料の Starter プランには、ローカルの保管庫、SSH と SFTP、AI による補完、ポートフォワーディングが含まれます。Pro は年払いで月 $10 で、個人用のクラウド保管庫、モバイルとデスクトップ間の同期、セッションログ、スニペットが加わります。Team(1 シート月 $20)と Business(1 シート月 $30)は共有インフラ向けです。Termius は iOS、Android、macOS、Windows、Linux で動き、変更履歴には Mosh セッションへの対応が記載されています。
Blink Shell は Apple のプラットフォーム(iPhone、iPad、Mac など)向けの無料ダウンロードで、SSH と Mosh に対応しています。App Store には 14 日間の無料トライアル付きの Blink+ が年 $19.99 と記載されており、ほかにホスト型開発環境のための Build サブスクリプションが別にあります。Android には対応していません。
どちらも優れた汎用ターミナルです。ただ、どちらもエージェントのセッションを中心に作られてはいません。違いはそこから始まります。
エージェントで使いにくくなるところ
1 つ 1 つの問題は小さいものの、積み重なります。そしてすべて同じところから来ています。コーディングエージェントは、キーボードと広いウィンドウを前提に設計されたフルスクリーンのターミナル UI を表示しますが、スマホはそのどちらでもありません。
- 折り返し。TUI は固定のグリッドに描画します。狭い画面では、差分、表、枠線が折り返されてぐちゃぐちゃになります。横向きにすれば改善しますが、見える行数は半分になります。
- キーボード。権限のダイアログ、モデルの選択画面、質問のメニューは矢印キーで操作します。Esc、Ctrl、矢印キーは修飾キーのバーの奥にあります。
- キーの衝突。Esc、Ctrl-C、tmux のプレフィックスがぶつかり合います。いずれは、中断するつもりのセッションをデタッチしたり、放っておくつもりのセッションを中断したりすることになります。
- スクロールバック。長く続いたツール呼び出しを、tmux のコピーモードでタッチスクロールしながら読み返すのは骨が折れます。
- 見るべきタイミングがわからない。ターミナルは、エージェントが承認を待っていることを知りません。Codex が終わったときや Claude が判断を求めているときの通知は、フックとプッシュ通知サービスを使って自分で組むものです。方法はエージェントの権限をスマホから承認するガイドで解説しています。
- 複数のエージェント、複数のサーバー。1 つ増えるごとに、ホストも、tmux のウィンドウも、読むべき TUI も 1 つ増えます。
Maude で変わること
Maude も SSH から始めますが、その接続を使って自らをセットアップします。アドレス、貼り付けた ssh … コマンド、または QR コードでサーバーを追加すると、アプリがそこに自前のデーモンをデプロイします。各エージェントを検証済みの固定バージョンでインストールし、両方を最新に保つので、手作業でインストールするものはありません。その後アプリは Maude のリレー経由でデーモンとやり取りします。通信はサーバーごとの鍵でエンドツーエンド暗号化され、リレーが目にするのは暗号文だけです。NAT やファイアウォールの内側でも受信ポートを開けずに動き、SSH はフォールバックとして残ります。
セッションはターミナルではなくアプリとして表示されます。応答は整形されたテキスト、ツール呼び出しはカード、権限の確認や質問はボタンになります。モデル、推論レベル、権限モードはチップで選べます。受信箱には、すべてのサーバーのエラー、完了した作業、確認が集まります。プッシュ通知には許可と拒否が付きます。各セッションには、ファイルタブ、Git タブ(ハンクごとの差分レビュー、コミット、プッシュ、gh による PR の作成)、そして本物のターミナルタブがあります。そのマシンでシェルが必要になっても、アプリを離れる必要はありません。
Maude は Claude Code、Codex、OpenCode、Grok Build、Antigravity を操作でき、アイドル状態のセッションを別のエージェントに引き継げます。
横並びの比較
| Termius + tmux | Blink + tmux | Maude | |
|---|---|---|---|
| 料金 | Starter は無料、Pro は年払いで月 $10 | Blink+ 年 $19.99、14 日間のトライアル | 週 $2.99(3 日間のトライアル)または年 $59.99(7 日間のトライアル) |
| プラットフォーム | iOS、Android、デスクトップ | Apple のプラットフォームのみ | iOS、iPadOS、Android |
| エージェント | ターミナルで動くエージェントなら何でも | ターミナルで動くエージェントなら何でも | Claude Code、Codex、OpenCode、Grok Build、Antigravity |
| サーバーへのエージェントのインストール | 手作業 | 手作業 | 自動、固定バージョン、自動更新 |
| セッションの維持 | tmux、自分でアタッチし直す | tmux、自分でアタッチし直す | デーモンがセッションを保持。アプリを開き直すだけ |
| 接続 | SSH、Mosh | SSH、Mosh | エンドツーエンド暗号化されたリレー、SSH はフォールバック |
| 承認 | エージェントの TUI のダイアログ | エージェントの TUI のダイアログ | ボタン、受信箱、許可/拒否付きのプッシュ通知 |
| エージェントに対応した通知 | 自分で組む | 自分で組む | 組み込み |
| 差分レビューとコミット | シェルで(git、lazygit など) | シェルで | Git タブでハンクごとに |
| シェルへのアクセス | フル機能のターミナル | フル機能のターミナル | セッションごとのターミナルタブ |
| ほかのサーバーと一般的な管理作業 | 可能 | 可能 | 追加したサーバーのみ |
Termius と Blink の価格は、2026 年 10 月 1 日にそれぞれの料金ページと App Store の掲載ページで確認しました。価格は国によって異なる場合があります。
結論
実行を操作するより様子を確認するのが主な使い方の場合、デスクトップとまったく同じようにエージェントのすべてのコマンドが必要な場合、スマホでのターミナル UI が苦にならない場合は、SSH アプリと tmux のままにしましょう。安いか無料で、機能も揃っています。Android を使っているかデバイス間で同期したいなら Termius、iPad が生活の中心で高速な Mosh ターミナルが欲しいなら Blink です。
スマホが実際にエージェントを見守る場所なら Maude を選びましょう。承認はボタンで、サーバーとエージェントをまたいだ 1 つの受信箱があり、操作できるプッシュ通知が届き、差分レビューを 40 桁のターミナルで行う必要もありません。手作業でインストールするものはなく、必要なときのためのターミナルタブもあります。
両者を併用することもできます。Maude のサーバーは普通の SSH ホストなので、ほかのマシンの一般的な管理には Termius や Blink を使い続けてください。まだサーバーを用意していないなら、VPS で Claude Code を動かすから始めましょう。
よくある質問
Termius で Claude Code を使えますか?
コーディングエージェントには Termius より Blink のほうが良いですか?
本物のターミナルと比べて失うものはありますか?
Maude を使う場合も tmux は必要ですか?
変更点
- — Maude 2 に合わせて全面改訂:Claude Code だけでなくすべてのエージェントを対象に。Termius と Blink の現在の価格、Maude のターミナル・ファイル・git のタブ、リレー、新料金を追記しました。
- — 初版を公開。